これはとても悲しいお話。大阪の農業高校で、100日間世話をした雌牛が、出荷のトラックを待つ日に、両方の目頭から涙をこぼしていたらしい。その雌牛が「ヒナタ」という名前で、生徒たちからも可愛がられていたという、朝日新聞デジタル(2021年1月3日) の記事です。
ヒナタは愛らしく、昼になると柵から首を伸ばし、生徒たちを待つようになり、なでると気持ちよさそうに顔を寄せてきたそうです。ところが最後の日、リラックスしていたように見えたヒナタが突然涙を見せ、生徒たちは、その先にある「死」を初めて強く実感したらしいということです。
いったいヒナタは、なぜ涙を流したのだろうか。ヒナタは経産牛で、経産牛とは出産を経験した雌牛のこと。そして、一頭当たり平均して7~8回のお産を経た後は、加工肉やミンチとされることがほとんどだそうです。つまり、出荷のトラックを待つ最後の日、その先の運命は悲惨な未来です。ヒナタはそれを分かっていたのだろうか。

それとも、この先に訪れる死の予感ではなく、生徒たちとの別れを悟り、その淋しさゆえの涙だったのだろうか。どうも二つとも違うような気がします。牛がこれからトラックに乗せられ、自分は殺されるかもしれないと感じることは、未来の予知能力を持っていることになります。同じく、自分の世話をしてくれた生徒たちと別れることになると分かったとしたら、どのようにしてそれを感じることができたのでしょうか。
殺処分される前の犬が、檻の中で怯えている動画を目にすることがあります。彼らは一様に震え、絶望的な眼をして何かを訴えかけています。彼らは、この先自分の身に何か悲惨なことが訪れるのが分かっています。それはきっと、その場所に得体の知れない恐怖の雰囲気が充満していて、その雰囲気を察知して、怯えているのでしょう、きっと。
だとしたら、牛のヒナタも、周りの生徒たちの別れを惜しむ悲しみを敏感にとらえ、その悲しみにつられて涙を流したのかも知れません。生徒たちの悲しみの感情がヒナタに伝わり、同じ悲しみがヒナタの中から湧き上がる。これなら納得できるような気がします。

でも、感情って何? 感情はどこにあるのだろうか。人間の感情が牛に伝わるとしたら、いったいどのような方法で伝わるのだろう。感情は空間に漂っている。きっとそうなのでしょう。ある人が怒り出したら、それにつられて誰かが怒り出す。たまに見られる光景です。それが大人数になると、集団ヒステリーとなって収集がつかなくなります。もう自分でコントロールができなくなってしまい、後から思い返すと、何故あんなことになったのか、理解に苦しむこともあります。
感情のコントロールは大切ですが、それが強すぎると、極端に冷めた人間になって、天真爛漫に喜んだり、素直に悲しみを表現するということが難しくなります。でもたぶん大丈夫。コントロールするのは、怒りの感情や、その他のマイナス感情だけにすればいいのです。これはきっと難しいことですが、マイナスの感情を空間に漂わせると、誰かがそれを吸い込み、その人に迷惑をかけることになる。そう思えばいいのかな。
今回の参考記事はこちらです。ヒナタの写真あります。
By 料理パパ3号
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