この頃気になっていたこと。いつも行くスーパーで、入り口付近に並べられている緑の大粒のブドウ。マスカットだということは分かるが、値段が結構高め。なのでいつも素通り。ブドウが好きなら興味を示したかもしれないが、ブドウ料理というジャンルも思いつかないので、いつも素通り。でもついに知ってしまったその正体。

つい最近、山形県の農園にクマが出没し、ブドウを食い荒らしたとのこと。そのブドウが、一房2000円ほどの高級ブドウ「シャインマスカット」だそうです。ああ、あれが「シャインマスカット」というブドウなのかと、遅ればせながら初めて知った次第です。
この農園では、今月中旬から27日までにおよそ60房・40キロの「シャインマスカット」がクマに食べられていて、被害総額は10万円ほどになるそうです。
「シャインマスカット」は、2006年に日本で品種登録され、それ以来人気のブドウらしい。ブドウ好きなら当然知っていて当たり前ですが、これまでチラ見程度で生きてまいりました。スーパーでズラッと並べられていて、こんな高いブドウ誰が食べるんだろうと思っていたら、閉店間際にはいつの間にか残り少なくなっている。やっぱり食べる人いるんだな、ぐらいにしか思っていませんでした。でもそんな高いブドウをクマが食い荒らすなんて、お金も払わずにぬけぬけと。
このニュースを聞いて、人はどう思うのか。
●人里近くにクマが、怖い。●被害総額10万円とは、農家の人がかわいそう。●また現れるから、さっさと駆除しろ。●クマさんお腹空いてるから許してあげて。●高いブドウなんて食わないでドングリでも食ってろ。
どう思うかは、その人の勝手ですが、少数意見として、
●皮も剥かずに食べるのか。
こんな意見、あるのかないのか知りませんが、クマにはブドウの皮はむけません。あの手のひらと大きな爪、とても無理です。それに聞くところによると、「シャインマスカット」は皮ごと食べても美味しいのがウリだそうです。クマさんラッキーでした。

それにしても、ブドウの皮を剥ける動物は人間の他にいるのだろうか。人間に近いチンパンジーでも、バナナの皮ぐらいは剥けるでしょうが、ブドウの皮まで剥くほど器用とは思えない。そんな風に考えてみると、人間は何て器用な生き物なのでしょう。ブドウの皮を剥くだけではなく、そのブドウからワインを作ったり、そのワインで肉を調理したり、食物を味わうことに対してどん欲に生きています。この世界で、人間の他に料理をする動物はいるのだろうか。
人間以外の動物は、ただ目の前にある食べ物を、空腹を紛らわすためにガツガツと腹に入れる。味わうということもなしに。いや、味わうことはあるかもしれない。猫に同じ種類の缶詰を与え続けると、そのうちソッポを向いてしまう例もあるので、きっと同じ味に飽きてしまうのでしょう。だけど猫は料理はできない。与えられた缶詰を温めることもできない。クマが鮭を焼いて食べることもできない。アニサキスが寄生していようと、そのままムシャムシャと腹の中へ。
人間だけが、食べるという行為に色々な工夫を見い出し、より美味しく、そして見た目も美しく、食べる楽しみを追及して生きている。その天から与えらた恩恵も、いつの間にか当たり前のことになり、意識することなく日々を過ごしている。クマにはクマの幸せがあり、猫には猫の幸せがあるのかもしれないが、人間には、目の前の食べ物を、ただ飢えを満たすためだけではなく、味わう喜びをかみしめ、より一層美味しく食べられるために料理をするという才能があることを、たまには思い出して生きてみたい。
By 料理パパ3号
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