この頃、SNS炎上ニュースは大繁盛。これは確かYouTubeでのお話。ある歌手が「どんどんどんどん口座から自分のお金が減っていく」「レジ打ちでも、しようかな」と発言したらしい。これはどうみても炎上狙いでしょう、と思ったが、意外と無防備の本心のようです。案の定、「レジ打ちをなめているのか」「ばかにしている」との批判コメントオンパレード。無理もありません、「レジ打ちでも」ですから。
そうなると、レジ打ちってそんなに簡単なの? という話になります。昔は手打ちで機械に金額を入力していましたが、今ではバーコードをサッと機械に流すだけ。ずいぶん楽になりました。それにしても、カゴに入れる時には、お客様が袋に詰めやすいように、整理してカゴに並べるように入れる。生ものや潰れやすい物は、いったん避けてから最後にカゴに入れる。たまにイレギュラーでバーコードが効かないこともあり、その時の処理にも対応しなければならない。これで、時給千円少々。

よく見ていると、この人はプロフェッショナル、と感心してしまうレジ打ちの人もいます。流れるような手さばき、体全体が躍動するように無駄のない動き。ほれぼれするような動作で、レジ場の雰囲気を独特のものにしています。これはきっと「ゾーンに入っている」と言うのだろうか。ランニングハイ、スイミングハイと同じような感じ。別にスポーツの世界でなくても、その様なことはあると思います。反対側のレジを見ると、こちらは別に普通の感じ。遠くの方のレジでは、退屈そうにタラタラと。これで同じ時給なのかとは、大きなお世話。
朝一番に、ゾーンのレジ打ちの人が、レジの前に立つ。いよいよ開店時間になり、お客様がお店に入ってくる。精神を清め「さあ、かかって来なさい」という思い。こういう人が本領を発揮するのが、もっとも混んでいる時間帯。他のレジの人がノンビリ作業をしていても、そんなの関係ありません。何せゾーンですから、ほとんど無心の状態です。時給安いから適当にやっておこうと思っている人には、わかりません。
昔、知り合いと居酒屋で飲んでた時の話。座っていたテーブルから調理場が見え、店員がやきとりを焼いている姿が見え隠れしている。「あれいいな、やきとり焼くの、楽しいぞ」とボソッと呟いたら、「あんな仕事いいんですか?」と返事が返ってきた。「あんな仕事」ですと。この人何もわかってないな、普通の会社勤めしかしたことないから、無理もないか。
まず仕込みで、モツ肉やもも肉・ネギを丁度よい大きさに切り揃え、串に刺すところから始める。指に串が刺さらないように注意しなければならない。あれ結構痛いんです。でも慣れてくれば、うまくできるようになります。そしてバットにやきとり用の串刺し肉を積み上げる。今刺したばかりの焼く前のやきとり。新鮮です。輝いています。今日中に全部さばきたいな。残って冷蔵庫に入れると、あくる日は鮮度が落ちているし、冷凍にするのは論外です。

お客さんが来てやきとりのオーダがくると、焼き台に注文の串を並べる。注意深く表裏を返しながら、焼け具合を見極める。やがて肉から油がにじみでてきて滴り落ち、ジュワッと小さな炎が。その炎で肉が黒くならないように注意。そして表面に浮き上がった肉の油が生き生きしている状態で、お皿に盛り付け、「よし!」という満足感。注文が立て込んできたら、それこそ無心の状態になります。これがゾーンというのは、大げさか。いやいや、いかに美味しくやきとりを焼き上げるかに集中しているので、たぶん、そうなんでしょう。どこにいても、どんな仕事をしていても、集中して無心になる瞬間はあるもので、それがひとつの幸福感なら、たとえささやかな幸福感でも、ありがたいことです。
以前ある人に言われた言葉、「今いる場所で全力を出せない人間は、どこに行っても同じだよ」
By 料理パパ3号
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